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同じ学部の友人の誕生日を祝うべく半兵衛で飲みました。
半兵衛というのは馬場にある昭和の雰囲気を前面に押し出した
レトロな飲み屋さんなのですが
昭和天皇崩御の折に後を追って腹を切ろうとしたほどの昭和人の僕にとってはまるで生家のようなもので
さしてノスタルジーも憧憬も覚えることはなく。
店の壁に貼ってあった昭和ライクなポスターやら店内に流れる昭和ライクな音楽に
不覚にも心躍ってしまうなどということだって勿論ありませんでした。
ええありませんでしたとも。
そこで僕らは実に昭和ライクにトルストイやマルクスについて語りました。
勿論マルクスというのはマルクスアウレリウスアントニヌスのことで
カールマルクスのことではありません。
僕らは共産主義者だと勘繰られることを恐れているので外でマルクスの話をす
るようなことはけしてしないのです。
ヘッセやトーマスマンについて、或いは太宰や公房について語りました。
下ネタや麻雀などについて終始語ってなどはいないのです
席についた早々下ネタで会話が始まってなどいないのです。
ええいないのですとも。
そうして僕らは非常に紳士的かつ文化的な酒宴を終えたのです。
紳士的かつ文化的な。
隣の席とかに聞こえてなかったか心配です。
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最近ACIDMANとPENPALSとくるりのMDを持ち歩いて聴いています。
今日はくるりの「ロックンロール」が僕の脳髄に響いていました。
時々その合間に英語教師のダンディーな駄洒落が素敵に響きました。
「牛肉と馬肉はどちらの方が美味しさという点で優れているか。」
「馬です。」
「うま、かった。」
とても頭の良い先生だと思いました。
イギリス人のダンディーな先生なのに授業中にこんなにも素敵な駄洒落を日本語で言ってくれるなんて、なんて素敵な人なのだろうと思いました。
僕はこの先生に非常に好感を持ちました。
勿論まったく関係のない話なのですがあほなことを言うひとが
僕は大好きです。