そうして私たちは秋晴れの空の下で羊を眺めることと相成ったのです。

私たちは日陰でもそもそと動く羊の背に少し触れるとその生物の悲哀を知りました。

「ごらんよ、なんという悲劇なのだろう!」

彼等はきっとウール100%なのに違いがありませんでした。

勿論ポリエステルやらアクリルやらを排斥して生きている彼等のその生き方は賞賛に値するものではありましたが然し秋とはいえこんなにも日差しの強い日に其の身を日の下に晒しつづける運命を享受しなければならない彼等の道は苦難の其れに他ならないのです。

「もし彼らをウール40%にすることが出来たなら!」

目覚めた時には美しく映っていた蒼穹さえも彼らの悲哀を想うと恨めしい陰を私の心に落とすのでした。

私はそれから毎晩、彼らの生が少しでも穏やかなものになればと祈っています。



でも羊は如何せん汚れが目立ちやすかったのでみんなにスルーされてました。

僕も割とスルーしました。

白いセーターとかすこぶる汚れが目立つじゃないですか。

なんか茶っこくなっていたのです。



そして一心不乱に塩の塊をなめている山羊の目がなんかエロかったです。



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荒川行ってきました。